YUNOKUNIタオルレッスン2008
お風呂とタオルは、切っても切れない仲です。ところが。湯の国Webには、今までタオルをテーマにしたコンテンツがありませんでした。そう!意外にも、我々はタオルについて何も知らなかったのです…。風呂好きとして、これはイカン!
そこで早速、タオルメーカーさんのドアを叩きました。
「すみませーん、タオルについておしえてくださーい」
目次:
1.おすすめタオル 2.機能性タオル? 3.タオル雑学
お話を伺ったのはタオルメーカー内野(株)の広報ご担当・加藤さん。この日は09年春夏コレクションの展示会中。新作を始めとする、たくさんのタオルが並んでいました!
■ 近頃の人気はムネンシにチュウクウシ?
「最近は、軽さや肌触りのよさにこだわって、タオルを選ばれる方が増えています」と加藤さん。綿糸の撚りを戻してふんわりと膨らませた「無撚糸」や、糸の中に隙間を作って軽さと柔らかさを出した「中空糸」を使った商品の人気が高いそうです。
おすすめタオルひとつめは、その人気素材の掛け合わせ。「中空糸のガーゼ×無撚糸のパイル」(写真1)。「パイルが半分なので軽いのと、ガーゼならではの柔らかい肌触りが特徴です」 そして、軽いといえば中空糸オンリーの「エアーワッフル」(写真2)。まさにエアーな軽さ!中空糸は軽いだけでなく、吸水性、速乾性、保温性にも優れているそうです。
■ この時代ですからタオルもエコで
「もうひとつ、最近キーワードになっているのがオーガニックです」 加藤さんが持って来てくれたタオルには、「ecolive」の文字が(写真3)。「ecolive」は人にも環境にもやさしいをテーマにしている内野オリジナルブランドで、素材には主にオーガニックコットンを使っています」 染料も天然にこだわって、ハーブ染めや土染めで色を出しているそうです。エコの波はタオル業界にも来ているんですね。
■ 肌触りにこだわるならこれだ!
「そして、これが肌触りで一番のオススメ。海島綿の無撚糸を使ったタオルです」目の前には、見るからに高級そうなタオル(写真4)。世界最高の綿花と呼ばれる海島綿。それをさらに無撚糸にしちゃったんですから、そりゃもう!ふっくら柔らか!文句無しの肌触りです。
■ 洗濯しやすいバスローブなら中空糸
続いて見せていただいたのが、バスローブ。「中空糸薄手ローブ」(写真5)は、中空糸の特性を活かした軽さ&乾きやすさで人気が高いそうです。バスローブは洗濯が大変、という声をよく耳にします。中空糸はその点をうまくカバーしてくれているんですね。
■ 子ども用バスローブならオーガニック
「こちらはecoliveの親子バスローブ(写真6)。お子さま用は70cmタイプなんですが、着丈が長めになっていて、赤ちゃんの足元まで包むことができるようになっています。手を引き出しやすいように、手先も広めに作ってあるんですよ」子ども用品は特にオーガニックコットンの需要が高いとか。出産祝いにバスローブを選ぶ方も増えているようなので、プレゼントする際は“オーガニック”を意識するといいかも。親子セットっていうのも気が利いてる!
■ タオルはベビー用品にもぴったりなんですね
最後は、意外とタオル地が多いベビー用品から。ぬれた頭を拭きやすい「フード付きのバスタオル」(写真7)は、そのままおくるみにもなる便利アイテム。もう一点の「湯上がりベスト」(写真8)は、「デザイナーが自身の子育て体験から編み出した商品。首の座っていない赤ちゃんに、浴後ワンタッチで着せられるベストです」 どちらも、浴後が忙しいお母さんを助けてくれる商品ですね。
タオル地の商品は、洗濯のしやすさがポイントのようです。特にベビー用品は洗濯頻度が高いので、薄く軽く肌触りも滑らかな「ガーゼ×パイル」が多く使われているそうですよ。なるほどー、って思いませんか?
タオル種類レッスン:
え!こんなタオルが?へー、こんなタオルも。スゴイですね!
■ 知りませんでした……。タオルも進化しているんだってことを……。
ひんやりしたり、すばやく乾いたり、たくさん吸い取ったり、臭いを抑えたり、さらには伸びたり、炭が練り込まれていたり!あんな機能やこんな機能を持ったハイテクなタオルが出てるんです。みなさん、季節によって、生活環境によって、タオルを選び分ける時代が来たようですよ。
お風呂あがりのほてった体もクールダウン!?なんとなんと。ひんやり感のあるタオル。その秘密は、熱伝導性に優れたキュプラと、吸熱反応を持つキシリトールが練り込まれたレーヨンをミックスした接触涼感素材にあるそうです。
水分をすばやく拡散する糸を使ったタオル。「吸水性」と「乾燥性」に優れていて、綿100%と比較して20%ほど速く乾くそうです。さらに「抗菌防臭機能」がプラスされ、菌の繁殖を防いでくれるので、部屋干しに最適とか。
こちらのタオルは、紀州産の備長炭を練り込んだ繊維で作られているそうです。備長炭は、消臭作用や遠赤外線の放射、マイナスイオン発生作用があることで有名。その効果がそのままタオルに活かされているんですね。
超極細繊維を使ったタオル。微細な隙間がたくさんあるので、素早く大量に水分を吸い上げてくれます。普通のタオルの約3倍も吸水力があるそうです。さらに、繊維の中に水分が残らないから乾くのもとっても早いんですって!
のびーーーるタオル。とーーーってもよく伸びます。タオルの縦糸に、高い伸縮性を持ったポリウレタンと綿糸を合わせた素材を使っているそうです。ぐーんと伸びるしフィット力もあるから、ぬれた髪を巻きとめるのに最適。
タオル雑学レッスン:
タオルトリビア!? ヘー、ヘー、ヘーって言っちゃってください。
意外と知らないタオルのこと。思わず「へー」って言っちゃうタオル雑学をまとめてみました。明日早速、学校のお友だちに、職場の同僚に、自慢しちゃってください。人気者になれるかも!?しれません。
その1. 英語の「タオル」には「拭くためのもの」という意味もあり、実際にアメリカには「インディアンタオル」と呼ばれる身体の水分を拭う木製のヘラがある。
その2. 明治時代のタオルは舶来の高級品だったため、主にマフラーなどとして使われていた。
その3. バスタオル、フェイスタオル、おしぼりタオルなど、タオルには様々な種類があるが、実は浴用タオル以外はJIS規格(日本工業規格)でサイズが特に定められていない。
その4. バスローブは本来「着るタオル」として考えられたものであるため、入浴後は身体を拭かずに着るのが正しい。
その5. 洗濯の際に使用する柔軟剤は、繊維の表面を滑らかにして水を弾く性質があるため、タオルのような吸水性を目的とするものには出来るだけ使用しない方が良い。
その6. タオルを干す際には、出来るだけ日の光に当てず、風通しの良い日陰で干した方がフワフワに仕上がる。
その7. 「タオルソムリエ」なる資格がある。(※今治商工会議所、四国タオル工業組合が主催。くわしくはこちら。)
■ 編集後記
今回はタオルメーカー内野(株)さんのご協力あってこその企画でした。
ご登場いただいた広報ご担当の加藤さん、商品科学研究室にいらっしゃるタオルのエキスパートこと穂積さん、ありがとうございました!
いやいや、奥が深いです。タオルの世界。タオルの基本は「素材」、「織り」、「加工」。この三つの組み合わせで、さまざまなヴァリエーションが生み出されているそうです。我が家のタオルはどうなんだろう?そう思って、帰って早速見てみましたが、綿100%でパイル織りってことしかわかりませんでした…。
今回、いろんなタオルを触らせていただきましたが、タオルでは内野さんだけが製品化を許されているという「海島綿」のタオルが最高の触り心地でした。うっとりするくらい気持ちいいんですーー。みなさんもぜひ一度触ってみて!