コインシャワーってどんななの?
ピンクのベストでおなじみのオードリー春日さん。今や売れっ子芸人の筆頭であるにも関わらず、未だ超が付くほどのケチケチ生活を送っているのはよく知られた話。某テレビ番組によると、春日さんの住まいにはお風呂がないらしい。で、どうしているかというと、普段は100円ショップで売っている赤ちゃん用おしり拭きで体を拭いているそうだ。そして時々コインシャワーを使うという。春日さんの使っているコインシャワーは、たしか5分で100円。時間内に済ませるため、シャンプーで頭を洗いながらコインシャワーへ向かい、シャンプーを流す状態になったところでコインを投入しているそうだ。ここまでくるともうあっぱれである。
ところで。「コインシャワー」なるものをみなさんご存知だったでしょうか?私は春日さんの話を聞くまでその存在を知りませんでした。想像はつくものの、現物を目にしたことはなく。コインシャワー、気になります。そこで今回、湯の国Webではコインシャワーについて調べてみることにしました。(調査隊員:アライショウコとカジノリコ)
通していただいたのは立派な応接間。しかも!取締役社長にまでご同席いただき、恐悦至極です。調査隊ちょっと緊張気味に取材スタート。
コインシャワーの歴史と最近の傾向を教えてください。
コインシャワーは、今で言うところの発明主婦によって編み出されました。時は1975年。当時風呂なしアパートを営んでいたご婦人が、銭湯の営業時間内に帰宅できない下宿人たちを見て考案したのが始まりです。コインシャワーは好評を博し、やがて産業とする会社が出てきます。
1971年からコインランドリーの販売施行を手がけてきたニドは、90年に入り、その実績をもってコインシャワー界にも進出。時代の波に乗って、海水浴場やオートキャンプ、空港やスポーツクラブなどにも販路を広げていきます。
昨今では誕生のきっかけとなった風呂なしアパートも減り、学生用のアパートといえども内風呂付きが当たり前になった今、コインシャワーの需要はネットカフェや漫画喫茶へと移ってきているそうです。コインシャワーは時代を反映しているんですね。
歴史を知ったところで、いよいよ実物とご対面。
おお!始めて見るコインシャワー!思っていたより広い!!!それもそのはず、ニドではできるだけ圧迫感を与えないよう、少し多きめのサイズを採用しているそうです。
調査隊「思っていたより広くて驚きました」
社長「Shower House(商品名)は高さが約2メートルあります。これくらいあると背の高い外国人の方にもお使いいただけますので」
“少し大きめ”というのはニド製品の特徴です。建築条件とせめぎ合いながら、ギリギリまで調整した結果のサイズ。中に入ると、寸法以上の広さを感じます。
安全性、利便性はもちろん衛生面も重視
調査隊「この水洗浄ボタンとは……?」
安座間さん「お客さまのご利用後にはシャワー室全体が自動的に洗浄されるようプログラムしてありますが、このボタン押していただくと、シャワー使用前に手動でも洗浄が可能なんです。天井に備え付けてある洗浄ノズルからスプラッシュが噴き出して、シャワー室を洗い流します」
社長「衛生面に対する要望は高い。新商品は除菌・消臭もできるよう、洗浄水にはオゾンシャワーを導入しました」
よく見ると、基本料金が3分で300円となっていますが、「料金の設定はオーナーさまによって違います」とのこと。なるほど、なるほど。
調査隊が一番感動したのはこれ
調査隊「これは何ですか?」
安座間さん「これは打たせ湯ですね」
なんと!打たせ湯!てっきりシャワーだけだと思っていた調査隊。これにはびっくり。打たせ湯にはマッサージ効果があるので、全身浴ができない場合、打たせ湯があるだけでも疲れの取れ方がずいぶん違います。
こりをほぐすにはできるだけ高いところから受けた方がいいので、コインシャワーで打たせ湯を受ける場合は床にしゃがむなど姿勢を低くして浴びてみてくださいね。
小さな世界には工夫がいっぱい
安座間さん「実はこの床にも工夫がありまして、飛び跳ねても壊れないようにFRPの下に強固な補強材を入れています」
調査隊「ほんとだ。たしかに踏んだ感じもしっかりしてるし(体重をかけてギシギシして)ペコペコならない」
床の他にもニドのコインシャワーには小さな工夫がたくさんありました。例えば、停電になったとき困らないよう常備灯が付いている(裸でひとり暗闇に残されたときの不安は相当なものだ、という思いから)。シャワー使用後の自動洗浄ノズルはドアが閉まっていないと作動しない(洋服がぬれてしまったら大変だ、という思いから)。外部管理システムボードがある(いくらアラームが鳴るとはいえ、誰にも聞こえないない可能性だってある、という思いから) 「あらゆる事態を想定して」開発されているそうです。
コイン式ペットシャワーとは!?
実はニドさん。人間用だけじゃなく、ペット用のコインシャワーも作っています。ここ数年、マンションの共用施設への設置要望が増えているそうで、今後ますますの需要が期待される分野なのだとか。郊外ではコインシャワーにペットシャワーを併設した施設も増えてきているそうです。
「犬は言葉がしゃべれませんから……」と技術ご担当の加藤さん。開発の道のりは容易ではなかったそうです。感想が求められないため、作り手があれこれ察していかなくてはいけない。思いつく限りの工夫はしてあるそうですが、「これからも改良を重ねていきたい」と社長。飼い主のみなさん、ニドの動向には注目必須です!