日本のお風呂をもっと楽しもう『湯の国』
お風呂をもっと快適に、お風呂をもっと楽しむために
湯煙コラム

Vol. 87 松田悟志

一日の終わり、お風呂で『無』を得る瞬間

松田悟志(まつだ さとし)

99年「天然少女萬NEXT〜横浜百夜篇〜」で俳優デビュー。02年「仮面ライダー龍騎」主演でブレイク。その後も「ヴァンパイアホスト」主演、10年には大河ドラマ「龍馬伝」、連続テレビ小説「てっぱん」に出演。12年は舞台「ふるあめりかに袖はぬらさじ」「日本橋」(主演:坂東玉三郎)に出演。NHK「のんびりゆったり路線バスの旅」では旅人として全国を巡回中。NHKラジオ「すっぴん!」の月曜MCとしても活躍。

グランドシネマ坂東玉三郎「日本橋」が3月20日(木)TOHOシネマズ日本橋を皮切りに全国公開予定。
松竹 シネマ歌舞伎サイト
 
いつの頃からか、お風呂の時間が長くなりました。
オトナになったんでしょうか。

子供の頃、祖父に連れられて毎晩通った銭湯では、100を数えることなく出てしまったものです。それが今では、できることあれこれを風呂場へと持ち込んで、すっかり長湯をするようになりました。
本を読んだり雑誌を読んだり、忙しい時期にはそれが台本になり、ゆとりのある時期にはスマホになったり漫画になったり。リラックスしているからか、何をやるにも一段とはかどる気がします。
でもやはり一番大切にしているは、「ホットタオル アイマスク」の時間です。
これは、風邪で病院に行った時に先生が教えてくれたリラックス法です。一日の最後に「何もしてない、何も考えてない時間を作ること」が大切で、「視覚、聴覚、触覚をしっかりと弛緩させてあげないといけない」とのこと。そのもっとも簡単な方法がお風呂の中での「ホットタオル アイマスク」なのだそうです。

胸あたりまでの程よい湯加減のお風呂に浸かり、お湯に浸してしぼったホットタオルをたたみ、それを上を向いて両目と両耳とにかかるように乗せます。そして、頭は後ろの浴槽の縁にゆだねる。たったそれだけです。それだけのことが、至福の瞬間になるんです。一日の終わり、「無」になる瞬間。
幼い頃は、外で泥んこになった身体の汚れを洗い落とすのがお風呂の役割でした。小学生になると、それが銭湯で友達と遊ぶレジャーになった。中学に上がると、悩み事を湯船に持ち込むようになったし、高校生の頃はそれさえできないくらいへとへとになった身体をその湯船に浮かべたものでした。頭の中は部活のバスケと異性のことでいっぱいでしたね(笑)。

それが大学生になると、友人同士でスノボや温泉に行ったりするような機会も増え、家のお風呂と外のお風呂という、目的も意味合いもまるで異なるその両方を楽しめるようになりました。
そして、現在のように東京に出て俳優になってからは、温泉行楽も大好きだけれど、やはり日々の生活において最上のリラックスを得ることがお風呂の一番の目的となりました。
やはり社会に出て、さまざまな事柄にひとり向き合うというのは、とても体力をつかうことです。東京でどんなに気を抜いてのんびりと過ごしていても、故郷の大阪に帰るとさらにもう一段階心が弛むことで自然と気づかされます。「あれ、力が入ってたんだ…」って。「俳優」という好きな仕事に就いてさえそうなのだから仕方がないですね。なので、そこは黙って立ち向かって行くことにしています。毎日のお風呂で、コンディションを整えて。


文/松田悟志(まつだ さとし)

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