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欧州のバスルーム最前線・デコラティブで存在感増す、インテリアバスの時代に

欧州のバスルーム最前線・デコラティブで存在感増す、インテリアバスの時代に

イタリアやドイツなどで国際見本市や一般家庭のくらしぶりを取材されてきた、ライフスタイルジャーナリスト 本間美紀さんに、欧州のバスルームの最新トレンドやユニークな商品をご紹介いただきます!

1)日本と違うヨーロッパのお風呂事情
2)家具とコーディネートできるバスタブ
3)過ごし方が変わるバスタブ
4)インテリアの他の要素と合体?

日本と違うヨーロッパのお風呂事情 住まいや暮らしを取材する仕事柄、ヨーロッパの水まわりを取材することが多くあります。
ドイツやイタリアの家を訪ねて、いつも驚くのはお部屋のようなバスルーム。バスタブはお湯につかるだけではなく、裸で過ごす小さな部屋のような場所。
私もいつも不思議に思うのですが、欧米のバスルームには日本のような大きな洗い場がほとんどありません。その代わりバスタブは、洗い場としての役割もあるようですね。
[Cayono Alpine]Kaldewei/Germany さらにメインバスルームとは別に、寝室や客室に小さなシャワーブースを持つ家も多く、ガラスの建具で仕切られたシャワーブースは、日本に比べ一般的ですね。

Superplan plus Kaldewei/Germany まず体はシャワーブースで汗を流し、その後、バスタブでゆっくり湯につかる…といったこともあるようです。 みなさんも海外旅行先のホテルで、こういったバスルームを経験したことがあるのではないでしょうか?

ちなみに、こんなスタイルも見つけました。

Ergo_nomic LEXA/ITALY

シャワーブースとバスタブが隣接し、洗い場感覚で使えます。
日本のシステムバスと構成は似ていますが、壁も仕切りもなくて、居室とオープンにつながってます。

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家具とコーディネートできるバスタブ 最近は、リビングの家具とコーディネートできるバスタブやシャワーというのが増えているようなのです。乾燥している気候の関係もあると思うのですが、リビングスペ―スの真ん中にバスを置く。
バスタブと言えば白、石といったニュートラルな表情がやはり海外でも一般的でした。ところが最近はかなりデコラティブなものが増えているのです。 [George]Falper/Italy 上のバスタブは革やかすれたような銅、さらに木目という3つの素材を使った豪華なバスタブ。革張りのソファや木の床とも調和しそうです。男性的なイメージのデザインだそうです。

[solid surfaces]Falper/Italy こちらはセラミックに近い特殊な素材で、ごく薄くつくられているそうで、表面の薄い溝が上品なデザインです。
こういった表情がつくれるようになったのも、新素材の開発が大きく影響しているようです。

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過ごし方が変わるバスタブ 日本では温泉や銭湯など、家族や近所の人と一緒に入浴し、社交場としてのお風呂の役割もあります。 DR Agape/Italy

[Drop]Agape/Italyそしてこちらはイタリアの2人用バスタブだそうです。お部屋の中心にバスタブを据えて、リビングでソファのような役割を果たします。
 
上から見ると池のようですが、プールのようの自由に過ごせそう。一緒に入る人とフレンドリーで感覚的な時間を過ごすために生まれたそうです。幅は2m近いので、ゆったりと脚も伸ばせますね。

pix.gif
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インテリアの他の要素と合体? テーブルや椅子、照明など、他の家具の要素を取り込み始めたバスタブを紹介しましょう。 [island]Caserstone/Israel こちらのバスタブ。コンセプトモデルですが、テーマは「アイランドバス」で、このバスタブをお部屋の中心に島のように置けば、そのまわりでいろいろなことができる、というアイディアです。
まず右手の斜めに差し込まれた板。ここを背もたれにして、浴槽に脚をいれれば、足湯を楽しめる足湯バスに?
「island」Caserstone/israelもちろんシャワーも浴びられます。そしてチェアを近づければ、バスタブのまわりのカウンターがテーブルに!
飲み物やフードを並べれば、お風呂を楽しみながらパーティ?
 
バスルームと言えば、全員裸であることが必要な気がしていましたが、これなら服を着た人、水着を来た人(もちろん裸でも)が一緒に過ごせます。これはなかった発想ですが、日本人には少々抵抗があるかもしれませんね…。

そして下はほとんど個室になったシャワーブースです。

AXOR waterdream hansgrohe/Germany

本当に海外のバスルームの提案は大胆ですね。
これも湿気が少なく、乾燥した気候であり、家そのもののスペースが大きく取れるからこそ、できることのように思えます。

AXOR waterdream hansgrohe/Germany

注目してほしいのはシャワーヘッド。中に光源が仕込まれています。ついに照明とシャワーが一体になってしまいました。確かに頭上につけるものですから、お湯と一緒に光が降り注ぐシャワーは「あり」ですね。

AXOR waterdream hansgrohe/Germany

このデザインを手がけたのは実は日本人。テレビのドキュメンタリー番組などでも取り上げられるnendoがデザインしています。シャワーが浴室から飛び出してくる、そんな可能性も予感させます。

ki bathroom Scavolini/Italy

ちなみにこちらもnendoが発表した木のパウダールーム&シャワーブース。洗面ボウルと棚の収納の形が同じで、統一感があります。商品名の「ki」は、木と器を掛けたもので、引き出しではなく白い器のようなコンテナに収納ができるというコンセプトだそうです。

日本人とは全く違うバスルームやシャワーに対する考え方に、いつも驚いてしまいますが、一方で湯気に満たされて温かい日本のお風呂がやっぱりいいな…と感じてしまうのです。
 
取材・文/本間美紀

【商品リスト】
[Cayono Alpine]Kaldewei / Germany
[Suparplan plus]Kaldewei / Germany
[Ergo_nomic]LEXA / ITALY
[George]Falper / Italy
[solid surfaces]Falper / Italy
[DR]Agape / Italy
[island]Caserstone / israel
[AXOR waterdream]hansgrohe / Germany
[ki bathroom]Scavolini / Italy
 ※紹介の商品には試作品もあります。日本での発売予定はすべて未定です。

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