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> vol3. 建築家:吉村順三-山荘の長州風呂-
寒冷地の給排水設備にはとくに気をつかいます。冬季使用時に凍結しないように配管しなければなりません。風呂は直焚式の長州風呂釜で、下の階に焚口があり、薪を燃やして使います。2〜3本の薪でお湯が沸き、その後も余熱で暖かさを保ち、可燃性の不用品も燃やせます。
下階のユーティリティーでは、隠蔽した配管を最小限として、修理しやすく、風呂の水を下洗い用シンクの蛇口から排水します。つまり蛇口が風呂桶の栓ともなり、水が有効に使えます。又、焚き口の高さは、腰を屈めなくてもすむようにし、風呂焚きを楽しめます。
この山荘は、私にとって宝物であり、そしてお風呂は宝石の一つです。薪で焚いた湯はまろやかで、まるで温泉のようで体の芯まで暖まり、とてもぜいたくと感じます。泊まり客は、何よりのご馳走だと言います。小さいけれど、年を取ってからでも各々が良い寸法ですし、床から天井近くまでの窓が気持ちよく好きです。近頃は、南台の家も軽井沢の家も何処にいても楽しめてくつろげて、心地よくて、とても良い家に住んでいるのだと感じています。