日本のお風呂をもっと楽しもう『湯の国』

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わが家の風呂づくり Vol.2「卵型バスルーム」TOP1


私たちは漠然と「家とは四角い箱のようなもの」と思っています。しかし、本橋さんの家を訪ねると、それがほんとうに正しかったのか、考えてしまいます。なぜなら、この家は、直角のコーナーがなく、やわらかくうねるチューブのような家だからです。「未来の建築はやわらかく毛深いものになるだろう」といったのは、シュールレアリズムの巨匠サルバドール・ダリですが、本橋さん夫婦の住宅のイメージはまさにこの言葉。鳥の巣や穴ぐらのようにやわらかく包み込まれる安心感、親密感こそ、精神的にも肉体的にも心地よいはず、と考えていました。この希望を具体的な形にしたのが、ウシダ・フィンドレイ・パートナーシップです。
 
バスタブの中から、シャワーや洗面ボウルを設置したスペースを見る。壁から天井までたくさんの丸型ガラスブロックが埋め込まれ、そこから光が降り注ぐ。
小さな丸窓はすべてガラスブロックではなく、一部には鏡入りもあり、アクセントになっている。
 

右の図をごらんください。本橋さんの家に入ると、人の動きにそって書斎やリビング、ダイニングなどが自然に続きます。ドアのないうねうねした空間ですが、窪みやカーブした壁が、隠れ家のような場所をあちこちにつくります。実はこの形、父と母が横たわり、その間に子どもを抱え込んだ姿だそうです。この子どもにあたるのが、中庭につき出た卵型のバスルームです。
「イギリスでは、バスルームは家族とのコミュニケーションの場です。本橋さんも同じ考えでしたので、身体をリラックスさせると同時に、家族で楽しめる空間にと考えました」とキャサリンさん。
スペースは約11m2、6畳強の広さです。そのうち半分を占めるのが大きな浴室スペース。あと半分にシャワーや洗面、トイレが配置されています。これらは透明ガラスで仕切られ、オブジェのようにすっきりとまとめられています。

 

 


図解ボタンをクリックすると、拡大図と詳細をごらんになることが出来ます。
ドアを開けて浴室内を見る。右手奥にクローバー型のプローバス。左手のガラスで仕切った場所には洗面ボウル、シャワー、便器などがオブジェのように設置されている。


半球体の卵型の内部はすべて、なつかしくてやわらかな印象のモザイクタイル貼り。足元から天井まで無数の採光窓があって、自然の光が降り注いでいます。他の部屋と同じように、不思議な安心感と居心地のよさが感じられます。
浴槽は大きめのジャグジータイプ。家族3人で入ったり、昼はプール代わりに楽しんだり。小物置きや掃除用シャワー、常にさわやかさを保つための換気扇など本橋さん自らが選んだ設備も充実しています。
夜は室内のあかりが窓から外にもれて、それは美しい眺めです。