深大湯には4Fの屋上に展望露天風呂がある。この露天風呂がまたすごい。
この周辺には高い建物がいっさいないため、露天風呂から四季折々の景色が楽しめる。夏は多摩川の花火が、秋は中秋の名月が、冬には、富士山から神奈川の大山、信州の山々までぐるりとパノラマで望める、絶好のロケーションなのだ。
「若い女性は軟水風呂を目当てに来てくださいますが、年輩の方々は温泉気分を味わうために来られる方が多いですよ。『温泉旅行は疲れるしめんどうくさい。
ここでゆっくり露天風呂に入っている方がよっぽどいいよ』といってくれるので、ありがたいですね」

そんな温泉気分を満喫できる露天風呂も、もちろん400円の料金内で入浴できる。

軟水風呂も展望露天風呂も400円以内。
こんなにサービスして大丈夫なのか？とこちらが心配になるほどの大盤振る舞いぶり。

その理由をこの道40年のご主人はこう語る。
「私は、昔っから『お客さまは神様です』主義ですからね（笑）。
銭湯はお客さまに愛されて、なんぼのものですから。
例えば、うちのロッカーは100円返却スタイルなのですが、その返却された100円でジュースや牛乳を飲めるようにと、浴場内の自動販売機はすべて100円にしてあります。
これはね、絶対に値上げしないつもりなんですよ」とニコニコ顔でキッパリ。
昔ながらの風呂屋の心意気に、なんだか気持ちまで温まるような思いがした。

濃厚で深い緑に囲まれた、東京の別天地→