首都圏を中心に、お風呂付きのマンションや団地の供給が増えたこと、燃料や水道設備の改善により木賃アパートの内風呂普及率は七割以上になる一方、公衆浴場は昭和四十三年以後、急速に減り始める結果となりました。
三十年代に続いて、FRP浴槽をはじめ、ホーロー浴槽やステンレス浴槽などが住宅に広く普及していいました。特に四十年代後半からのステンレス浴槽の普及は急激でした。従来の職人の手作りによる浴槽では、急増する住宅需要に対応できなかったことが、これらの浴槽の普及の理由としてあげられます。公団住宅などにおいても、それまで木製だった浴槽を、ホーロー浴槽やステンレス浴槽に切り替えるようになりました。
工期短縮のため、浴槽と洗い場を一体成形した、継ぎ目なしの「洗い場付き浴槽」も発売されました。床の防水工事がいらず、工期の短縮と工事費の削減ができる点が喜ばれました。
また、人々が、浴槽や洗い場のカラーやデザインにも様々な要求を持つようになり、それに応じて商品のバリエーションも増加しました。洗面器や腰掛けなども、木製からカラフルなプラスチック製へと変化していきました。子供用にも、お風呂で遊べるおもちゃ、キャラクターを使ったシャンプーが発売されるなど、お風呂まわりにバラエティに富んだ商品が増えてきました。