どぉーん。浴場のど真ん中には、富士山が裾野を広げてそびえている。
銭湯には富士山の壁画というイメージが強いが、それはもう、ひと昔前の話。最近はなぜかめっきり見かけなくなっていたので、ちょっと得した気分になる。
「風呂屋の壁画って、かなり少なくなってきているんだよね。
タイルの方が長持ちするし、手入れもラクだから」
というのは、旭湯のご主人である畑芳造さん。壁画は2〜3年もすると湿気でボロボロになってしまうのだそうだ。旭湯でも、2年おきに壁画を描き替えているという。
「やっぱり壁画の方がお客さんも喜ぶし、
タイルじゃちょっと味気ないからね」