このまま真っ直ぐ帰るのもつまらないような気がするし、暗くなる前に帰りたい気もする。
じゃあ、ここからは三者択一といこう。自分ならこうする、というコースを選んでみよう。

「佃・月島は街というより、人に特徴がありますね。とにかく全員世話好き。それも度が超えてると思えるほどで、ウチのおばあちゃんなんか隣りの家に勝手に上がって掃除しちゃうんですよ。この辺では、近所の人が勝手に出入りするのなんて普通なんです」
そんな佃・月島地域も年々変わってきている。佃にリバーシティが建ち、オシャレと人情が同居するようになった。現在も開発中のビルがあちこちに見える。生粋の月島っ子は、街の変化をどう受けとめているのだろう。

「いいんじゃないですか？　街も活気づくしね。リバーシティに住む人たちも、よく周辺に遊びに来てますし、隔たりは感じません。そうそう、この街にはもう1つ特徴があって、『来るものは拒まず』の精神があるんです。変に下町生まれをひけらかしたり、街意識を持ったりしない。それが月島生まれの誇りでもあります。確かに建物はどんどん新しくなっていますけど、人の気持ちって変わらないと思います」